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設計コンセプトの見直し ( 機軸 ) [機体設計]

前回は、ランディングギヤの見直しを検討しましたが、今回は機軸の見直しを検討します。

主翼取り付け角

  機軸

RIMG4635.JPG

RIMG6175.JPG

前輪式ランディングギヤ=検討中に、軽量小型機HAMLETの図面に新鮮な刺激を受けた!

通常、前輪式ランディングギヤ=採用機体の機軸は、グランドレベルに水平ですが、

HAMLETは明らかに、機軸がグランドレベルに対して前下がりになっています。

スタート直前の短距離選手のように頭を低くして身構えている。
その意図を推測してみた。

その1は、前方視界の確保
その2は、離陸速度到達時間の短縮にあると思います。


層流翼(FX系)などの新しい翼型は空力中心が後方にあり、少ない迎角でも揚力が発生する。

m_NACA4412-lift-curve-768x609.png


2D-section-of-the-trimmed-hexahedral-mesh-FX63-137.ppm.png

(FX63-137 13.58%  は先端的なモータグライダーでよく採用されている有名な翼型です)

m_RIMG6112.JPG
FX63-137 においては、揚力消滅迎角はマイナス8度以下くらいです。

離陸滑走時に離陸速度に達する前に揚力発生により頭を上げてしまうと、風圧で加速を妨げることになるし、適正離陸速度以下で浮かんでしまうと非常に危険である。

過去、Tri-gear ULP訓練で、離陸滑走で増速中はステイックを前に倒して、頭が浮かないように抑えろと教わりました。

この場合、厳密に言えば、水平尾翼はニュートラルでないので、風圧で抵抗を発生させていることにもなります。

それでFX系の層流翼型を採用した機体は、離陸滑走時に離陸速度に達するまでは、風抵抗を減らして速やかに加速できるように機軸を前に傾けることにより、自然に頭が上がらないように対処しているようです。
離陸速度に達したら、静かにスティックを引いてやると、、滑らかに余裕を持って上昇体制に入ることができます。


今後の設計変更に向けて、TRI-GEAR採用機種のデータをまとめてみます。
公表値は入手できないので、縮尺3面図から得た参考推測値です


RIMG6179.JPG
HAMLETについて確かめてみる

TRI=GEAR NEW.png

自作機として有名な小型機、MONI,CRICRI機軸はマイナス角を採用しています。
HAMLETの機軸はマイナス2度程度ですが、主翼の取り付け角は定かでありません。
今後、調査を進めて、自作ULPの最適値を探っていくことにします。


<備忘メモ>
プロペラのグランドクリヤランス設定関連

機軸を前に傾けた場合、
プロペラのグランドクリヤランスを確保するために、できるだけ直径の小さなプロペラを採用したい。

ZENOAH50Gエンジンに AN-2 とほぼ同じ50”×45”の小径ペラを使用した場合、
よりプロペラの回転数を上げる必要がある。

ULP規格の最高制限巡航速度185Km/hを出すために、リダクションの減速比Xを求める式。

巡航速度MAX = 45”×25/1000×5800/X×60×0.85/1000=185
減速比 X= 1.8 :1
(プロペラの回転数 = 5800÷1.8=3,222 rpm)




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みうさぎ

凄いモノ計算してる


by みうさぎ (2021-12-02 15:46) 

Enrique

NACAの時代のデータは風洞実験だったのでしょうが,新しい方のFX63-137とかではコンピュータによる数値計算ですね。形状の周りの分割は差分法のメッシュのようですね。現在では両者の一致はかなり良いのでしょうね。

by Enrique (2021-12-02 16:38) 

tomi_tomi

チンプンカンプンです。(>_<) 日曜大工の範疇を越えてます!!
by tomi_tomi (2021-12-02 16:48) 

kinkin

さすがに門外漢、何がどうなっているのか・・・^^;
ただ凄いことになっていることだけは判りました(^^ゞ
by kinkin (2021-12-02 17:21) 

ロートレー

うさちゃん いらっしゃい!
最近忘れっぽいので、ペラ直径の確認をかねて過去の計算式を引っ張り出して張っただけです
コピペでした^^

by ロートレー (2021-12-02 20:51) 

ロートレー

Enrique さん あらゆる分野に精通されていて驚きました。
私の場合、必要に迫られてのにわか勉強なので、試行錯誤no連続です。
それで、備忘記録を兼ねて、記事として残しておくことにしました。
これからも,お気づきのことをお教えいただければ嬉しく思います^^

by ロートレー (2021-12-02 21:38) 

ロートレー

tomi_tomiさん  いらっしゃい!
実は、本人が良くわかっていなくて、丁寧に説明することが出来ていないのが原因ですので聞き流してください。
製作段階にはいったら、映像つきで説明させていただきます^^

by ロートレー (2021-12-02 21:50) 

ロートレー

kinkinさん おいでやす!
なかなか、作業するところまで行くことが出来ませんので,幕間つなぎに模索中のことがらを記事にしてしまいました。
金工に入ったら、kinkinさんに教えを請う必要が出てくると思いますので,そのときはよろしくご指導をお願いいたします^^
by ロートレー (2021-12-02 21:59) 

ぼんぼちぼちぼち

すごい!こういう方面の学問には、疎いので、ここまでお出来になるなんて、ただただ尊敬でやす!
by ぼんぼちぼちぼち (2021-12-03 08:46) 

enosan

趣味の領域じゃないですね。
専門知識もここまでくると更に上を目指すのかな。
私も技術屋ですがここまでは、尊敬します。
by enosan (2021-12-03 09:04) 

ロートレー

ぼんぼちぼち さん おいでやす!
超越したセンスをお持ちのぼんぼちさんから図らずも
私の妄想メモに対し、お褒めの言葉を頂きことさら嬉しく思いやす^^


by ロートレー (2021-12-05 19:58) 

ロートレー

enosan さん
プロのエンジニアの方から過分なお言葉をいただき、ただただ恐縮です。
私は、文系出身で、飛行機を作りたい一心で関連書籍を読み漁っただけの付け焼刃の浅い知識の中で、試行錯誤しています。
いろいろ教えていただきたいです。^^
by ロートレー (2021-12-05 20:24) 

たくや

算数苦手です(笑)
by たくや (2021-12-06 13:48) 

ロートレー

たくや さん  いらっしゃい!
最近,物忘れや書類のしまい込み紛失が多いので、後で見返しそうなものは備忘手段として、ブログにアップしておくことにしました。
メモ代わりなので、中身はスルーしてください^^
by ロートレー (2021-12-07 16:32) 

tfultra

久しぶりに覗いてみました。
私はエンジニアではないので難しい計算はわかりませんが、飛行経験から自作飛行機の適正離陸速度を見るためエレベーターはフルアップで速度を上げていきノーズが上がり始める速度を確かめノーズが15㎝ぐらい浮いた状態で待っていると勝手に離陸加速し浮いた速度の1.3~1.5倍の速度で上昇します。パワーがなく離陸加速しない場合は少しピッチダウンです、離陸はノーズが浮き上がる速度からエレベーターを調整します。
by tfultra (2021-12-26 16:04) 

ロートレー

tfultra さん 過去記事にコメントありがとうございます。
リプライが遅れて申し訳ありません。
tfultra さんのウルトラクルーザーはたしか尾輪式だったはずですが
エレベーターをフルアップして離陸助走を開始して、
機体のノーズが上がり始めるまで待つということは
輪尾式では離陸の加速中は尾輪が滑走路から浮き上がることがないように操作されているということでしょうか
それとも、前輪式ULPについての操作でしょうか
もう少し詳しくご教授いただければ幸いです。
by ロートレー (2022-02-12 11:05) 

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