1.TN20取扱い説明書による着火


 待望のTN20の初火入れは、取り説を丹念に読んで、その指示通りに正確に実行した。
 
(1)空気調節レバーを最大(左側)にする。
(2)紙や炊きつけ材を炉の上に置き、その上に中程度の薪、さらにその上に太い薪を重ねる。
〔3〕着火材、紙、炊きつけ材などに着火し、ドアを閉める。
(4)薪に完全に火が入ったら、さらに大き目の薪を投入する。
(5)最初に投入した薪が熾火になったら、通常運転に入る。(レバーを少し戻す)

 期待にあふれて着火した。
 精魂こめて手作りした断熱2重煙筒が強力なドラフトを発生させ、勢い良く鮮やかな炎が立ち上るのを期待しながら・・・・
  
 ところが、
 
 
  
 一瞬、大きく上がった炎は激しい煙に変わって炉内を渦巻く
 明らかに酸欠状態だが、このストーブはシングルレバーでこれ以上の空気の供給は出来ない。

 

 止む無く、前面ガラス扉を開いて空気を入れてやると、炎が回復して燃焼を継続したが、引き換えに室内に大量の煙が充満して建物中が燻ってしまった。

 その後、薪を追加投入して火力回復に努めたが、安定燃焼に入れず、排気煙筒温度は100度Cどまりに終わる。

 何が悪いのか

 購入ショップに相談するも、

 「適正なドラフトが得られるまで、扉を細めに開けて極力火力を上げてみてくれ」と言うばかりで

  納得いく解決策は得られない。

 35年近くも、薪ストーブを焚いてきて、ある程度扱いに慣れているほうと思っていたが

  完全に自信喪失状態!   深く落ち込む・・・・

 しかし、北米1位のストーブメーカーが開発した、シングルレバーシステムの
 イージーオペレーションなのに、扉を開けなければ給気不足を解消できないなんて
 ちょっと考えてもありえない話じゃないか

  何かが間違っているはずだ。

 

  
 2.ロストルなし薪ストーブの着火方法
   (トップダウン着火)

 ふと思い出したのは、数年前、新宮商行のショールームで見た新型薪ストーブの着火実演会

 炉内に太い薪、その上に中ぐらいの薪、その上に細い焚きつけ材、一番上に着火材。

 従来とまったく逆のセッティングで着火して、見事に炎上させて見せた。

 その時のストーブは確かロストルなしで、TN20と同じ耐熱煉瓦床だったはず!

 TN20のシングルレバー操作メカニズムの詳細はe検索では探し出せなかったけど、

 実際の動作から推測すると

 炉内給気は2箇所のみ
 ①二次燃焼パイプ・・・・・・・・・常時給気
 ②エアーカーテンスリット・・・・・操作可能  レバー左 開く レバー右 閉じる

 いずれも、炉内上部にあり、床には給気口は一切見当たらない。

 となれば、TN20のシングルレバー操作システムは、トップダウン着火を前提に設計されていなければ理屈に合わない

 これは試してみるしかない!

 
 TN20の輸送に使われたパレットを切りきざんで焚き付けをたっぷり作った。

 
 トップダウン着火後、(扉は閉めたまま)徐々に炎は下に向かって拡大
 
 半割の広葉薪が完全燃焼に入ると、追加の薪投入も難なく受け入れ

 ついに、レバー操作で炎の変化をコントロールできるようになった!

  
 ダンシング・フレア~?

 
 オーロラ・バーン ?

 
 妖怪?^^



トップダウン着火大正解です。

 2か月間の努力は報いられました。
 TN20は、噂どおりコストパフォーマンスに優れた素晴らしいクリーンバーン・ストーブでした。

 そして自作断熱2重煙筒もパフォーマンス十分であることを実証してくれました。

 これからは毎年、冬が待ち遠しくなりそうです^^


 完



(info)
クリーンバーンストーブの着火方法
https://www.youtube.com/watch?v=KWvG699o0mM
トップダウン
https://www.youtube.com/watch?v=MgHlFqhXVqM&pbjreload=101