吸気サイレンサーのテストを行ったが、悲しいことにまったく効果がなかった。


GV-9i のグリルから暖気とともにマシン内からの騒音が大気中に排出されているので、吸気サイレンサーを使ってこれを何とかできないだろうか

その方策として、エンジンフィンの冷却に使った空気と騒音をそのまま大気中に排出しないように、暖気排出グリルを密閉するBOXを作り、たまった暖気を吸気サイレンサーで吸引して、一度エンジンに喰わしてから排気マフラーを経由して大気に放出するようにしたい。
暖気をキャブレターに導くことにより、キャブヒーターとして、冬期使用時に効果的に働くはずです。


暖気回収BOXの作成

排出された暖気とマシン内騒音を吸気サイレンサーで効率よく回収するための「暖気回収ボックス」を試作します。

 

ケント紙で暖気回収ボックスを試作する。 


BOXの収まり具合と配管の位置が確認できたら,ケント紙の試作GOXを型紙にしてガルバ鋼板を切り出す。


ガルバ鋼板でBOXを作りGV-9i に取り付ける。(パネルのネジ穴を使う)
BOXの上蓋を脱着可能にするために蓋からBOXに6mmのネジ穴2個を貫通する。


ネジ穴を使い、BOX裏にネジ受け金具をネジ止めして、2.5mmのリベット固定用の穴を開ける。


BOXの表から2.5mmのリベットで、裏側のネジ受け金具を固定する。


鋼板のビビリ音を抑えるため、ガルバBOX内壁に、タディスセルフを貼り


その上にウレタンスポンジ35mmを張り巡らせBOX内の共鳴を防止する。
上蓋の部分も35mm厚のウレタンスポンジで密閉する。


早速、外付けマフラーと接続して減音テストします。


ところが、エンジンがあえいでなかなか安定運転に移行できない。
吸気不足かもしれないと、吸気サイレンサーのパイプを外して、エアクリーナーに直接外気を吸わせるとようやく安定運転に入った。


取りあえず、不要になった吸気サイレンサーを取り除き、この状態で減音測定した結果を下記します。



暖気回収BOX取り付け後の減音測定


          (GV-9i のカタログスペックでは、低騒音(58dB~65dB)とあります。)

今回、初めて際立った減音効果を確認できました。
エンジンマフラー排気音より、排気グリルから排出されている機械騒音が大きくて、騒音の大部分を占めていたことになります。
6M定格回転ではノーマル状態と比較して、8dB~10dB 程度減音されています!

しかし問題も発生!

この状態で運転を続けると、暖気回収ボックスの内部温度が120度近くまで上がってしまうのだ、このままではエンジンの冷却不足でエンジンに負担をかけてしまいそうなので対策が必要です。

続く