ウエブ検索で素晴らしいアイディアを見つけました。

「新世代の木造艇に最適のコーティングレジンを選んでみました。
エポキシレジンによる下塗りをサンディングシーラーとし、2液型ポリウレタンレジンで仕上げる。 これが、筆者が最適と考える塗装です。」(エポキシ談義から抜粋)

http://www.lares.dti.ne.jp/~doi-a-md/EPOXYinfo/EPOXY.html
記事は「KAZI」誌1993年10月号の「アマコンジャーナル」欄に連載された 「木造艇製作の周辺技術」シリーズにて掲載された内容のリメーク版のようです。

古い記事ではありますが目からうろこです。
ULP自作を計画して以来、軽量化と強度の確保は2律立背反で、常に課題となって引きずってきましたが、その解の一つが解けそうです。

FRPによるフォーム・サンドイッチ工法はもともとボートビルダーが開発した工法ですが、航空機に対する応用は、バート・ルタンがコンポジット製、先尾翼自作機V-easyを発表したことにより一躍有名になりました。

さらに、自作木製機KR2にも巧みに取り入れられ、その後の自作航空機の、製作工法としてポピュラーなものとなってきました。

しかし、重量制限と翼面積規格の厳しいULP製作の工法として定着するには、いくつかの問題を抱えています。

1.主翼面積10平米以上と規定するULPの主翼をフォーム・サンドイッチ工法で製作すると、単座の重量制限180Kg以下に抑えるのが難しい。
 (仮に高価軽量のカーボン繊維を使用したとしても、CFRPの総重量中、積層に必要なエポキシレジンの占める割合が多いことから、軽量化の効果は限定的)
エポキシレジンには溶剤が入っていないので、完全に乾燥させても当初のウエット時と重量は変わらないのです。

2.大きな翼面積をエポキシを使ってハンドレイアップしてFRPをラップすると、硬化したエポキシの表面が非常に硬くて、製作過程で発生するしわやでこぼこを均すためのパテ付け作業、サンディング作業に膨大な時間を必要とする。
(だからといって、サンディング作業を省いて、FRPの上に直接塗装すると、塗料との密着性がないので剥げ落ちてしまう。)

以上の理由からULPにFRP,GFRPを使用する場合は、翼桁の製作などに限定して、大面積の外皮には使用しないほうがよいと考えてきました。


実例として、軽量自作機(キット)のスターライトは木製翼桁、スタイロ・リブの上に1mm厚の航空用合板を張り、その上に直接ポリウレタンを塗装して、軽量で美しい翼を実現している。
まるで、FRPキット製のような美しい翼面の仕上がりです!


それで、計画中のULPは、スターライトやPIK-26のように、合板外皮に直接ポリウレタンを塗装して仕上げることを予定していたのだが、前述のエポキシ談義にヒントを得て、主翼外皮の作成方法を次のとおり変更することにします。


<変更点>

浸透性エポキシをシーラーとして使用して翼合板を強化しつつ、
最近国内でも入手可能になったピールプライクロスを併用して、乾燥後のエポキシ表面のサンディング作業を省き、弾性ポリウレタン塗料との密着・追従性を高める。


1. 外皮(1mm翼合板)に浸透性エポキシ(E206)を浸透させて、1mm合板を目止め(シーラー)する。
 ( やってみなければ分からないが、もし、エポキシを深く浸透させることができれば、1mm合板自体が擬似コンポジットシートになって、FRPシート並みの強度をもたせる事ができるかもしれない!)


2. シーラーのエポキシが生渇きのうちに、その上からピールプライシートを貼ってスクウィーザーで十分にしごいて余分なエポキシを取り除き、バキュームバックで圧着する。
ファイバークロスのレイアップは行わないので、翼表面は、合板の2次カーブによる平滑な仕上がりをそのまま維持できます。


3. シーラーのエポキシが乾燥したら、表面からピールプライをは剥がして、オービタルサンダーで軽く均す。
 (ピールプライシートはエポキシとは接着しない繊維を使用しているので、エポキシが乾燥した後でも引き剥がすことができる。 ピールプライを剥がした跡の翼表面は、自然に足付けされているので、オービタルサンダー仕上げは短時間で済ませることができるはずです。)

4.塗装用ローラーを使用して、翼合板の表面を,弾力性のある2液ポリウレタンで塗装する。
 (自前の0.75HP程度の非力な塗装機では粘着性のあるウレタン塗料は塗装困難と判明した)
  弾力性2液ポリウレタンは、下地追従性が高く、合板下地でもひび割れがないとの評価です。(スターライト)
 ローラー塗装では、鏡面仕上げと言うわけには行かないが、
 完全な鏡面の翼面より、疎面の翼面のほうが、空力上の翼性能が高いとの研究結果もあるので(ゴルフボール理論)、塗装後の多少のでこぼこは無視することにします。^^

使用する資材は、いずれも高価なものはなく、研磨作業量を最小にして、軽量で平滑な翼面を手に入れるための有効な方法ではないかと、期待します。



ビニロックウレタン
http://www.paint-works.net/tatemono/catalog/108.pd
ダイナロックⅢ
http://www.paint-works.net/tatemono/topcoat/018/index.htm
2液ウレタン
http://www.paint-works.net/tatemono/catalog/114.pdf
http://www.paint-works.net/tatemono/topcoat/114/index.htm
木部用2液ウレタン
http://www.paint-works.net/tatemono/wood/114d/index.htm
同ウレタン下地
http://www.paint-works.net/tatemono/under/sealer/1530/index.htm
ピールプライ
https://www.frp-zone.com/products/detail.php?product_id=1013
アマゾン号に乗りたい(ピールプライ)
http://kayak9.matrix.jp/index.php/portfolio-2/3-1
代用品でVerTam
http://www.geocities.jp/crazy_shift/inf.html
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https://www.monotaro.com/g/02653109/
ローラーでカーペイント
http://brush-carpaint.com/
http://brush-carpaint.com/?mode=f1
ピールプライを作る(代用品)
https://www.crazy-shift.com/inf.html
https://sorarist.com/memo/carbon-infusion/