前回は、ランディングギヤの見直しを検討しましたが、今回は機軸の見直しを検討します。

主翼取り付け角

  機軸





前輪式ランディングギヤ=検討中に、軽量小型機HAMLETの図面に新鮮な刺激を受けた!

通常、前輪式ランディングギヤ=採用機体の機軸は、グランドレベルに水平ですが、

HAMLETは明らかに、機軸がグランドレベルに対して前下がりになっています。

スタート直前の短距離選手のように頭を低くして身構えている。
その意図を推測してみた。

その1は、前方視界の確保
その2は、離陸速度到達時間の短縮にあると思います。


層流翼(FX系)などの新しい翼型は空力中心が後方にあり、少ない迎角でも揚力が発生する。






(FX63-137 13.58%  は先端的なモータグライダーでよく採用されている有名な翼型です)


FX63-137 においては、揚力消滅迎角はマイナス8度以下くらいです。

離陸滑走時に離陸速度に達する前に揚力発生により頭を上げてしまうと、風圧で加速を妨げることになるし、適正離陸速度以下で浮かんでしまうと非常に危険である。

過去、Tri-gear ULP訓練で、離陸滑走で増速中はステイックを前に倒して、頭が浮かないように抑えろと教わりました。

この場合、厳密に言えば、水平尾翼はニュートラルでないので、風圧で抵抗を発生させていることにもなります。

それでFX系の層流翼型を採用した機体は、離陸滑走時に離陸速度に達するまでは、風抵抗を減らして速やかに加速できるように機軸を前に傾けることにより、自然に頭が上がらないように対処しているようです。
離陸速度に達したら、静かにスティックを引いてやると、、滑らかに余裕を持って上昇体制に入ることができます。


今後の設計変更に向けて、TRI-GEAR採用機種のデータをまとめてみます。
公表値は入手できないので、縮尺3面図から得た参考推測値です



HAMLETについて確かめてみる



自作機として有名な小型機、MONI,CRICRI機軸はマイナス角を採用しています。
HAMLETの機軸はマイナス2度程度ですが、主翼の取り付け角は定かでありません。
今後、調査を進めて、自作ULPの最適値を探っていくことにします。


<備忘メモ>
プロペラのグランドクリヤランス設定関連

機軸を前に傾けた場合、
プロペラのグランドクリヤランスを確保するために、できるだけ直径の小さなプロペラを採用したい。

ZENOAH50Gエンジンに AN-2 とほぼ同じ50”×45”の小径ペラを使用した場合、
よりプロペラの回転数を上げる必要がある。

ULP規格の最高制限巡航速度185Km/hを出すために、リダクションの減速比Xを求める式。

巡航速度MAX = 45”×25/1000×5800/X×60×0.85/1000=185
減速比 X= 1.8 :1
(プロペラの回転数 = 5800÷1.8=3,222 rpm)