計画している自作ULPは、SD-1のようなイメージの尾輪式なので
FSXフライト・シミュレーターを使って尾輪式小型機(パイパーカブ)の訓練飛行に励んできました。



しかし、長期間完熟訓練を重ねたにもかかわらず、尾輪式飛行機の離着陸時の前方視界の悪さからくる、ステアリングの難しさを、なかなかクリヤーできません。



FSXでは、補助的に機外の視野を得るこことができるので、それを見ながら、かろうじて離着陸できるようになったのですが、

操縦席からの視界だけに限定した状態では、エンジンカウリングが邪魔になり、滑走中に前方の滑走路を見通すことができない。
タキシング自体が非常に困難なので、いまだ滑走路上の脱輪事故が絶えません。

シミュレーターといえ,いまだに離着陸時の事故を無くすことができなければ、本番となったら命がけで恐怖しかない。

軽量化を最優先して尾輪式を選択したものの、もうこの期に及んでこだわっていられません。


たとえ実現不可能な夢であっても、遅ればせながら、計画中の自作ULPを前輪式ランディングギヤ(トライクルギヤ)へ設計変更することを検討することにします。



1.トライクルギヤ システムのメリット


尾輪式ランディングは、主輪から着陸すると主翼の迎角が急増して浮力も急増する。
その結果機体がリバウンド(再上昇)してしまう欠点がある。


それに対し、トライクルギヤ(前輪式)ランディングは、主輪から接地すると主翼の迎角が減少して浮力も減少する。
その結果、
  ①リバウンドすることなく着陸ができる。

なおかつ、
  ②操縦席からの視界は、滑走中も良好である。

離陸時、滑走中の迎角が小さいので、主翼の空気抵抗が少なく、
  ③短時間で離陸速度に達する。


  ④主輪をフルブレーキしても、尾輪式のように逆立ちしたり、グランドループしたりすることがない。

  いいこと尽くめです。
  工作上のネックを解決できれば、採用したいところです。


2.トライクルギヤ 採用機体の検証



https://assets.publishing.service.gov.uk/media/54230054e5274a1317000aa7/Pulsar__G-BUDI_03-07.pdf
https://assets.publishing.service.gov.uk/media/54230054e5274a1317000aa7/Pulsar__G-BUDI_03-07.pdf

PULSER の 前輪 は シャープで美しい。
しかし、構造図を見る限りは、ノンステアラブルのキャスタータイプです。
ハンドリングには左右の主輪のブレーキの踏み分け操作で行う要がありそうです。
http://inspire.eaa.org/2019/03/06/nose-wheels-what-can-go-wrong/





一方、ZENAIR がキットを供給するCH-601の前輪 は エンジン隔壁の真下に設置されていて無骨ではあるが、ステアラブルでラダー連動で操作できるので、強度とハンドリングはPULSERに勝っているように思える。

https://www.engineersrule.com/thanks-cad-building-aircraft-kit-never-easier/










自作機キット SD-1 は発売当初は尾輪式であったが、最近 TRI=GEAR バージョンが登場した。
サンデーフライヤーの要望にこたえたもののようです。





これらを参考に、自作ULPに前輪式ランディングギヤを採用した場合、
最大の問題は、ZENOAH50Gエンジンの排気管〔チューンドエグゾースト)と前輪シャフトが干渉する位置にあるということです。

が、対応例がありました。


モーターグライダーMONI の トライクルギヤバージョン の例です。 (格好良いでしょう!)



KFMエンジンのチューンドエグゾーストと前輪シャフトの干渉を
前輪シャフトを左にずらすことにより解決しています。
最初これをみたとき違和感あったが、こうなったらもう後がない。

これでいこう!

前輪のステアリング構造はシンプルかつ軽量なCRICRIを参考にしたいと思います。