以前、「翼型(AIRFOIL)の検討」で自作ULPモーターグライダーの主翼の翼型に、FX60-126を選出したので、それについてさらに検討を加えます。


FX60-126はサーマルグライダーにも実機のグライダーにも採用されている有名なFXシリーズの翼型で、滑空性能においては最適と思った。

しかし、命を預ける自作ULPとして強度面、重量面から見直すと心配な点が出てきた。

FX60-126を採用すると、設計翼弦1200mmの場合、桁高(最大翼厚)は151mm程度になる。

一方、ULP規格で設計された数機種のPLANSを見ると桁高(最大翼厚)はそれぞれ
IMVADER    240mm
U-2   290mm
URTRA CLUISER   245mm(機内中央桁 125mm)

軽量な主翼桁を作るためには、桁高(ウエブ高)をある程度大きく取る必要があるということが分かってきた。

これらに比較するとFX60-126の桁高151mmは小さい。
FRPなどで補強する手は有るが、それでは重量が増してULP規格重量に治める自信が無い。

ULPのリミットを超える自作機でも

KR2      180mm(2座)
TEST-DUO    220mm(2座)


それらを比較すると、桁高(最大翼厚)は最低でもULTRA CLUISER、できることならKR2 並みの180mm位は欲しいので、KR2(180mm)の桁構造を踏襲して翼型を再度検討することにします。

設計翼弦1200mmで、桁高(最大翼厚)が180mmにするためには、最大翼厚が15%の翼型の中から探すことになります。

電波実験社の模型の翼型374種を再びなめるように何度も読み返し


ようやくNACA63-2-615 にたどり着きました。

翼型のフォルムだけの全くの見た目で選択したにもかかわらず、後でパズマニーの「軽飛行の機設計法」を読み返すと、層流型の翼型解説にNACA63-2-615がポーラカーブ付きで説明されていました。
・・・、NACA63-2-615などの翼型は、第10図のように最大キャンバーがずっと後方にあるので穏やかな失速特性を有する。等々メジャーな翼型のようです。
(見る目有るじゃん) 


NACA63-2-615 採用       PIK-16 FINLAND 

嬉しいことに NACA63-2-615 は多くのグライダー実機にも採用されていました。

PIK-16   FINLAND 
SF26   WESTGERMANY
He 201  WESTGERMANY
P-6  USA


早速、実寸大でトレースしてみる。
脂の乗ったブリのような太い体型で、これなら構造上も丈夫に作れそうです。
今後の設計作業はNACA63-2-615 採用で行くことにします。

最大キャンバーが後方にあるので、KR2より主桁を後ろに移動して応力中心に持っていき、主桁で全加重を受け持つシングルスパーとして、翼構造計算を進めることにします。(強度計算が若干楽になりました。)



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