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NA6 サイドシル患部の補強 [NA6ロードスター修復]

サイドシルの徹底防錆・補強対策を実施する。

無題nmbv.JPG
(サイドシルの形状が予想と異なっていたので修正しました。)

1.防錆び剤POR-15シリーズによる防錆び作業

通常の防錆剤は、下地の錆を完全に削り取ってから塗る必要があります。
錆が残っている状態で防錆剤を塗ると内部の錆が膨らみ防錆剤の皮膜を突き破って成長してしまうからです。

しかし今回のように満遍なく腐食が進んだサイドシル部材・リアフェンダーパネルから錆を完全に削り取ること自体が困難なうえ、完璧を期すと外形と強度を保つことが出来なる恐れがあります。
ここで登場するのが、レストアラー御用達のPOR-15です。

もともとは船舶用防錆剤として開発されたもののようですが、錆びの上からこれを塗ると錆に浸透・同化して強力な塗膜を形成するという優れもので、ガラスクロスのレジンとしても使用できるので、さび錆びのボデーをFRP強化することもできるということで、旧車のレストアラーにとって神のような存在です。

私のNA6ロードスターの修復もPOR-15の力にすがることにします。

POR-15 SHOP

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(1)POR-15METALREADY(防錆下地処理剤)で防錆下地処理する。(錆の残留OK)
  除錆、防錆、下地プライマーをかねて、患部を念入りに洗浄する、(浸透性の防錆効果有り)

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METALREADYを十分にスプレーして奥の隅々までブラシで洗浄する。
METALREADYが錆びに浸透して、色が次第に黒ずんできました。 完全に乾燥するまで待ちます。

(2)POR-15 RUST PREVENTIVE PAINT をたっぷり刷毛塗りして患部を防錆・補強する。(錆の残留OK)

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開口部から刷毛が届く範囲で内部の金属部材に満遍なくPOR-15 RUSTを塗って、腐食部に浸透・防錆し、同時に強力な皮膜で補強してやります。

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 特にリヤフェンダー下部の隙間は水のたまり場所になるので、筆を使って狭い部分にまで充填してやります。

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POR-15の一回目の刷毛塗りが終わったところです。
乾燥後は強固な皮膜を形成して、カチカチに硬化して溶解除去できなくなるので、衣類や身体に付着させないように十分注意しなければならない。
 (使用後の缶の蓋に塗料が付いていると2度と開かなくなるという噂です。)
 
(3)錆びたサイドシル患部をFRP補強する。
  
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4時間後、サイドシル患部にPOR-15 RUST を上塗りして、テープ状に切ったガラスクロスを密着していく。

CA393242.JPG
NA6サイドシル修復
http://kyoutan.jpn.org/uts/car/rustrepair/
POR-15 RUSTを筆でクロス上から浸透させ下部のPOR-15 RUSTと上下一体化させる。
患部が凸凹しているので、厚地のガラスクロスを密着させるのに苦労する。
少し時間が経過してPOR-15 RUSに粘りが出たころを見計らい浮いている部分を密着させます。 
 
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POR-15 RUSTの硬化時間は思ったよりゆっくりなので、1層目が硬化始めてから2層目を積層します。
POR-15 RUSTが生乾きの状態のうちにガラスクロスを積層していく
特にリヤフェンダー下部の隙間を空けておくと今後も水のたまり場所になるので、隙間を埋めるようにガラスクロスを充填してその上からPOR-15 RUSTを浸透させて積層していく。
( POR-15 FRPは開口されたフェンダー内に治めて、鋼板パッチの邪魔をしないように気を付ける。)

おおよそ5層くらい積層したところで、グラステープがなくなったので積層を終わりにします。
これで、錆びのために痩せていたサイドシル金属部分の強度をある程度修復できたと思います。(切なる願望)

次の作業に必要な、板金材料がまだ届かないので、一度、ロードスターを使えるようにします。

CA393249.JPG
先日試しに作ったポリ板で傷穴を仮に塞ぎ  

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上からカラーテープで ポリ板を抑えてやります。
鋼板のパッチをフェンダーの上から当てて修理したのでは、パテで修正する部分が広範囲になってしまいそうです。
パッチの当て方に一工夫が必要ですね! 

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ホイールハウスのフランジから浸水の疑いがあるので、テープで補修仮止めする。

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サイドシル内に大量に溜まっていた砂は、ホイールハウスから浸入が疑われるので、ホイールハウス内のパネルの合わせ目にDUCT TAPEを貼って応急処置しておくことにします。

CA393257.JPG
遠目には全く問題ないようでしょう!
黒色DUCT TAPE で補修してこれで終わりにしたい誘惑にかられます。(笑)

今日の記事は如何でしたか?



NA6 サイドシル患部の修復その2
https://lawtray.blog.ss-blog.jp/2015-05-22


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コメント 18

tsun

>黒色DUCT TAPE で補修してこれで終わりにしたい・・・
お気持ちは分かりますが、板金の方も見せていただきたいです。
十数年眠っているオートバイをレストアしたくなってきました。
技術も何も無いので無理でしょうが、そんな気になりました。
by tsun (2015-05-22 11:59) 

ロートレー

それではtsunさんのためにも、板金にトライしましょうか(笑い)
私も、金工の技術、経験皆無ですので、本職さんのように上手くできるはずもありませんが
でも、自分が出来ることを組み合わせて工夫したら、見た目はちょっとでも、何とか出来るのではないかな~と思えてきました。(^^)

by ロートレー (2015-05-22 13:34) 

ニッキー

おぉ、見た感じは完璧ですねぇ^^
でもやっぱりここはロートレーさんの経験と技術でロードスターを近目から見てもOK!に復活させてあげてください(^_^)v
続き記事お待ちしてます(^-^)
by ニッキー (2015-05-22 14:35) 

ロートレー

おや、ニッキーさん
いつも優しいニッキーさんに珍しく激励されてしまいましたね(笑)
いつも走り出したらやり過ぎてしまう私ですので、ご期待に沿うよう頑張りま~す。(^^)
by ロートレー (2015-05-22 14:50) 

路渡カッパ

ほんと、立派なものです。完成かと思いましたよ♪
レストア、補修にはいろいろな道具や材料があるものですね。目からウロコです。
で、思い出したのが以前ミーティングに参加された方で、レストアを趣味でやられていたのですが、実車を見せていただいて感心しきりでした。(^_^ゞ
http://maaafc3c.blog60.fc2.com/page-1.html
↑記事の中にFC2の動画があります。お時間があれば見てください。
そうそう、私もDUCT TAPEを先日ホムセンでゲットしてまいりました。
今のところ使うことは無いのですが・・・(*^^)v
by 路渡カッパ (2015-05-22 15:05) 

楽しく生きよう

お見事。
by 楽しく生きよう (2015-05-22 18:36) 

ワンモア

うーん、素晴らしい!!
便利な塗料があるのですね。これは大変参考になりました。
ポリ板で仮止めした部分は、しばらく持ちそうですね。
続きが・・・読みたいです(^o^)
by ワンモア (2015-05-22 18:45) 

ロートレー

路渡カッパさん
動画を見せていただきましたが、この方は趣味の域を超えてプロですね~
私の車などかすり傷のように思えてきました。
DUCT TAPE 楽しい使いかたを見つけられたら教えてください(^^)
by ロートレー (2015-05-22 19:58) 

ロートレー

楽しく生きようさん
お褒め頂きありがとうございます。
新型ロードスター発売のニュースを見ました。
是非レポートをお願いいたしま~す(^^)
by ロートレー (2015-05-22 20:10) 

ロートレー

ワンモアさん
POR-15を知って、自分で修復する決心がつきました。
ローコストで延命するのが目的なので、私にはピッタリの商品でした。
パッチの当て方に改善案が出てきましたので、きっちり直したいと思います。
お楽しみに(^^)
by ロートレー (2015-05-22 20:31) 

たくや

一気に作業が進みましたね~素晴らしいです
by たくや (2015-05-22 20:57) 

ロートレー

たくやさん ありがとうございます。
一番汚れる仕事が一段落して、いよいよ今度は、リヤフェンダーの修理です。
上手くいくといいのですが(^^)
by ロートレー (2015-05-22 21:07) 

kinkin

今回だけでも良い感じに応急処置として収まっていますね。
自分も最終的に塞ぐまでの工程楽しみにしています^^;
テープだとやはり耐候性の問題あるから一時的と考えた方が良いかと
by kinkin (2015-05-23 05:34) 

ロートレー

kinkin さん
実は、先日kinkinさんからご提案いただいた修復アイディアを一部使わせていただくことにしたいです。
アルミパテを使って、なるべく面一にパッチして
周辺の仕上げもアルミパテを使用したいと思います。(^^)
by ロートレー (2015-05-23 06:15) 

ma2ma2

見た目は判らなくなりましたね!
いかに水が入らないようにするのが大事で、裏側までしっかり補修ですね(^^)
by ma2ma2 (2015-05-23 10:39) 

ロートレー

ma2ma2さん
いくら錆び止めしてもサイドシルへの浸水を食い止めないことには、また同じことの繰り返しになってしまいますから手抜きするわけに行きませんね。(^^)

by ロートレー (2015-05-23 17:51) 

駅員3

記事、新しいものから拝見しています(^^;っっ
そうそう、これにはM414修復の際、大変お世話になりました。
これがなければ僕みたいな素人にはレストアはできませんでした。
by 駅員3 (2015-05-26 07:12) 

ロートレー

駅員3さんは既にPOR-15をお使いでしたか、心強い限りです。
私の選択も正解だったことになりますね!(^^)
by ロートレー (2015-05-26 18:20) 

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