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インメルマン ターン (Immelmann Turn) [飛翔技術・飛行訓練]


フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、

800px-Immelmann_turn_svg.png

「 インメルマンターン(Immelmann turn)とは、航空機のマニューバの一つである。ピッチアップによる180度ループ、180度ロールを順次、あるいは連続的に行うことで、縦方向にUターンする空戦機動を指す。

これにより高度が上がり、進行方向と機体の方向はともに水平方向に逆向きになる

第一次世界大戦初期に活躍したドイツのエースパイロット、マックス・インメルマンが世界で最初に行ったことから、この名で呼ばれている。日本語では、インメルマン旋回とも呼ばれている。主に自機の進行方向と反対方向へ通り過ぎた敵機を追跡する際に用いられる。」

実際、エアロバチック演目のインメルマン・ターンは上図マニューバで演じられる。


しかし、当時の実戦ではどうであったのであろうか

『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、
「 実際に当時インメルマンが実施した時点ではピッチアップ中に失速するようなものだったと伝えられている。
充分に速度が出ている状態で行わなければ180度ループの最中に失速してしまうため、速度が充分でないと実施できない。この速度閾値は機体や状況により異なり、機体によっては背面飛行が出来ないため、ループが完了する前にロールを開始する必要がある場合もある。もちろん背面飛行ができる場合でも、厳密に180度ループが完了してから180度ロールを行う必要はない」 とも記述している。

fokker_eiii.jpg
第一次世界大戦初期のドイツのエースであったインメルマンは単葉フォッカー戦闘機を駆使して戦った。

787px-WW1Immelmann(2).jpg
当時の戦闘機の性能を考慮すると
インメルマンが編み出した実戦のインメルマン ターン はこのようなマニューバと言われている。

エアロバチック演目のインメルマン ターンとはかなり違うことが分かります。
明らかにエンジン出力の差による違いもありますが、

元祖インメルマン ターンは、生死をかけた空中戦から生まれたもので、その特徴は流れるように変転してゆく無駄のないポテンシャル運動にあり、横滑りもほとんどないと言われていることから、バレルロールから進化したものと理解した方がよいのかもしれません。
反転後、ダイブして機速をつけ、すかさず敵機を追尾する体制に入っていることからみても、本来のインメルマン ターンは高度を稼ぐのが目的ではなく、反転後に速やかな加速と追尾を可能にするため、反転時に一挙に高度ポテンシャルを溜め込み放出する一連の動作(マニューバ)と理解すべきではないでしょうか。

一方、エアロバチック・マニューバは高馬力の高性能機が演技としてのメリハリを強調出来るようアレンジされた演目と理解すべきで、本来のインメルマン ターンの目的とは似て非なるもののように感じます。



567.jpg
軽飛行機の教科書では インメルマン ターン に入る前に若干ダイブして機速をつけています。
非力な飛行機には必要な準備動作なのでしょう。
場合によっては、失速を回避するため反転後にダイブも必要になるのかもしれませんね。


だからと言って、私がインメルマン ターンを企んでいる訳ではありませんよ!
ULPはエアロバチック禁止ですから。

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